短編U

□闇にご執心
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「おーい、漆黒(しっこく)っ! お前また器の処理怠ったなっ!!」


はて?

誰の声が聞こえたみたいだが……









気のせいかな……














「気のせいかな……じゃねえっ! この俺様が目の前にいるっていうのに無視とはいい度胸だなっ!」













「五月蝿いんだけど、炎鵠(えんこく)。器の処理? あー、別に誰も入れないようにしといたしよくない?」



僕の答えにまた青筋を立てる炎鵠。

怒りすぎると血圧上がって死んじゃうよ、なーんて人間みたいなこと言っちゃった。




「そういう問題じゃないっ! 器の処理は悪魔の基本中の基本っ!! それを怠るとはっ、デビール様に何言われるか分かんねぇぞっ!」



僕達悪魔は魂の抜けた器(遺体)を消滅させる仕事をしている。
でなければ器に良からぬ魂が入って悪霊となり、天界にも悪魔界にも変な影響を及ぼしかねないからだ。


まぁ今回は近くに悪霊いたし、時間もなかったしで封結界貼ったからいいかなぁとか思ってたら案の定炎鵠に怒られたわけだけど。



「あとで処理してくるよ。どうせ悪霊たちも入れないとわかった器には寄り付かないんだしさ。」





僕がのんびりと言うとまた怒られたのは言うまでもない。




ほんとにもう少し静かにしてくれないかなぁ……





End

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