短編U
□会長様のペット君1
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「よっ、と」
職員室の前においてある長机に一旦書類を置くとドアをノックした。
「失礼します。香川先生から頼まれた書類を……」
何だか静かな室内に俯いていた顔を上げると
「生徒に頼んでいたのか、あのクソ教師」
「仕方ありませんよ志帆。あのクズに何を言ったって通じませんから」
「それより早くしねぇ? もうこれ終われば解散なんでしょ?」
「「そうだね。僕らが運ぶよ」」
「…………お疲れ様」
生徒会!!!
どうやら俺の書類を待ってたみたいで長机に置いてある書類を会計と双子庶務で分けてる。
いや、横暴ホスト教師に何か言いたい気持ちはあると思います。俺もありますからね。でも! 俺を睨まれてもどうにも出来ませんよ!
あと書記さん労わってくれてホントにありがとうございます!
「お前、名前は」
「清水 杏季です」
「学年と組をいえ」
「2年A組です」
「覚えておく」
「はい……ぇ」
今聞こえました? ちっちゃい声で『ぇ』って言ったの聞こえました? まじで? いや、アンタ今なんて言ったよ。『覚えておく』って何だよ。今すぐ記憶から抹消しろよ。ってか待たせたのは悪いとは思うけども別に気に留めるほど俺、容姿とか良くないしむしろブサメンって奴だし。
今年の運気はダダ下がりです……
去っていく生徒会を横目に俺はため息をついたのだった。
End