短編U
□紳士的ふるまい
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俺の執事は変わってる。
他の執事と決定的に違うことがある。
「要、喉かわいた」
「ん、」
分かったか?
ん?分からない?
「要、肩揉んで」
「自分でやれ」
「動きたくない」
もう分かっただろう?
「要、俺は執事だぞ?」
コイツは変わってるというより失格だろう。
「だからだよ。なんで主人が執事の世話をしなきゃいけないんだよ」
「俺はお前の世話やってんだからそのお返しに、と思って」
「あと言葉遣い」
執事――頼良の言葉をフルシカトしてベッドに座った。
田中さん(←執事長さん)に色々教わってただろ馬鹿かコイツ。
「あーもう分かったよ」
渋々承諾してこちらを睨みつける頼良。
なんで俺が悪いみたくなってんの。
「・・・今日はパーティーだから田中さんと衣装の準備でもしてて」
俺がそう言うと乱暴に部屋を出ていく頼良。
もうちょっと紳士っぽくしてほしいなぁ
そんなことあるわけないけどな
End