過去拍手文

□過去拍手文10
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ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン










……誰だ。








『リューちゃん、あけましておめでとう!』



俺の記憶ではまだ10月なんだが?






『あ、間違えた。リューちゃん、とりっくおあとりーと』



見事に平仮名で言われた。


ちなみにアイツはドアの向こう。




このまま諦めるやつではないだろう。








『リューちゃん、お菓子頂戴! じゃないとイタズラしちゃうぞ!!』










面倒くさい。

正直に言えばドアを開けたくない。


『もー! やっぱりイタズラしかしない! お菓子くれても関係ないし!』



おい、それだとTrick but Treat(お菓子くれてもイタズラするぞ)だ。

しかたない。
玄関のドアを開けた。

「何か用か」





ズイッ




「リューちゃん、はっぴーはろうぃん!!」



ドアの向こうにいたのはケーキの箱を持った恋人だった。


これじゃあ、まるで……





チュッ




「リ、リューちゃん?!」



「Trick yet Treat」




「へ?」






意味も分かってないソイツにキスの雨を降らせた俺は大満足だった。


朝早くに起こされたんだ。これくらい、許されるだろう。



まぁケーキもちゃんと頂いたがな。








End

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