過去拍手文
□過去拍手文8
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今日は町の夏祭りの日。
なんだかソワソワしてるんだけど…その横でとある世界のパティシエがズーンと沈んでいましたよ。
「もう、いつまで落ち込んでんの」
「だっで、づい゙ぢどい゙ぎだがっだア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」
「仕事なんだから仕方ないだろ?! あーもー、鼻かんで」
那古さんはこれでも世界のパティシエ。
まぁイベントとかに呼ばれちゃうのは仕方ないんだけど……
前々から俺と一緒に行くのを楽しみにしていた夏祭りの当日に仕事が入ってしまったみたいで昨日からこの調子だ。
「落ち着いた?」
「ごめ、っく……いっしょ、行くって…言った、のに、」
ダメだ、まだ引き摺ってる……
「だーかーらー! 俺は別に落ち込んでないし一人でも行くから大丈夫だって!」
「ダメ! 一人で行ったら、誘拐されてもおかしくないし……そうじゃなくてもナンパされて……あぁ! 俺の津一が穢れるぅうう」
誘拐とか……俺高校生だし……
ナンパって……いや、男ですから
あ、これは埒があかないパターンだわ
「あーもーいつまでもウジウジしてんな! もうすぐ仕事なんだろ?!」
「だってーーーー!!」
まぁなんやかんやで仕事に行った那古さんは(´・ω・`)って顔してた。
イケメンが台無しだよこの野郎
まぁナンパなんてされる訳ないとタカをくくっていたが那古さんの予想は当たってしまい
「ねぇ、俺らと一緒に行動しない?」
「奢ったげるよ」
「どうせ一人なんだからさ〜」
しかも男に!
めんどくさい……どう切り抜けようかななんて思っていると
ガシッ
後ろから引っ張られて
「俺の連れに何の用?」
その声の正体は数時間前まで俺の目の前で泣きじゃくって別れを惜しんでいた恋人だった。
「那古さん……」
「もぅ、目を離すといつもこうなんだから!」
なぜか怒られてしまった……。
その後はまぁ典型的なモブ台詞を吐いた三人に笑って那古さんと祭りを楽しんだ。
数日後に仕事をサボった事がマネージャーさんからの電話で明らかになった時には俺の前で綺麗に正座する那古さんの姿があった。
End