過去拍手文

□過去拍手文2
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時が経つのは早くひな祭り当日になりました。







祭り会場から少し離れた公園で凛太を待っていると





「直登さん!」







私服の凛太が居ました。
うん、天使だ。




「遅れてごめんなさい。だいぶ待ったよね?」

「ううん、今来たところ。…早く行こう」


「あ、直登さん…………」


「ん?」

何かを言いにくそうにしている凛太の顔を覗き込めば何を言いたいのかは察しがついてしまう。

「手繋ぐ?」

「ぁ………うん!」



あぁ……そのキラキラの笑顔は家宝にしときますから写真撮らせてくれぇ……。

「じゃあ行こっ」









人多いなぁ……。
俺はまだいいものの中学生の凛太は手を離せばすぐに人に流されてしまいそうだ。離さないけどね。

「直登さん、」

「どうしたの、休む?」


「うん…………」



やっぱ人混みは辛いよな。

俺は人混みをすり抜けて道端の石段に腰掛けた。
凛太は疲れてしまったのか人の邪魔にならないところに座り込んでしまった。

「凛太、大事な服が汚れちゃうよ。ここ、おいで」

「は〜…い」

凛太は俺の隣に座ると俺の肩に寄り掛かった。
そしてそのまましゃべり続ける。
何これ、またもや新手の拷問か。


「ひな祭りって結構人居るんだね。直登さんと楽しもうと思ったのに逆に疲れさせちゃってごめんなさい…」


やっぱ気にしてたか。

「平気だよ。俺は凛太と来られただけで随分と嬉しいから」




「ん、そっか」








そのあと人が少なくなったひな祭りを凛太と二人で楽しんだ。
うん、三十路にして恋人とはしゃいだ結果………











「うぅ〜」


「直登さん、大丈夫?」











「体痛い…………」







次の日は全身筋肉痛で動けませんでした。
いや、凛太はピンピンしてたよ。
うん、若いっていいね。




「早く良くなって………その、…シようね?」



ズッキューンっ!





筋肉痛が治った翌日に凛太を襲って泣かせたのは他でもない俺です。



End
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