短編

□隣人に拾われまして
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羅虎はいつもより暖かい空間に違和感を覚え起き上がった。そこはいつもの部屋ではなく、…どこか別の誰かの部屋だった。

身体中に包帯が巻かれており、暖かい布団まである。あろう事かベッドの上で眠っていた。
羅虎はこれだけで幸せだと感じていた。


「おいおい、急に起き上がるなよ。身体に悪ィだろうがァ」


声がした先に居たのはタバコを吸いながらこちらを見る初老の男性。
格好はまるで病院の先生のよう。


「俺は三森 而(みもり しか)、医者だ」

「ここの、ひとですか……?」

「いんやァ、俺ァ、ここの住人の知り合いでなァ。訳ありっつー奴らの治療をしてんだァ」

「ここのひとは……?」

「今、飯作ってやがる。呼んでくるかァ?」


三森はどうやら『ミカタ』らしい。
羅虎は安心して体の力を抜いた。


「……もう少し…寝ます……」

「おぅ、ゆっくり休め」


三森は目を閉じた羅虎を置いて部屋を出た。
その先のキッチンにはまるでフランス人形の様な顔立ちの男が料理を作っていた。

「彼は起きた?」

「あァ、また寝やがったがなァ」

「そう」


――――――――――――――――……

今まで何にも興味を持たなかったこの人形野郎が連れてきたあの色白男。
DVを受けていたらしく身体中に不自然な打撲痕や痣があった。


…覚悟しとけよ、DV野郎。
此奴に目ェ付けられたらただじゃ済まねぇぞ




End
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