短編

□先輩!確か結婚するとコウノトリが子供を運んできてくれるんですよね!じゃあ結婚しましょう!
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……んーと……



開口一番にこんな事言うのも嫌なんだが……






















「死ぬか?」






そんな俺の真顔に屈することなく異論を唱えたのはこの馬鹿野郎だ。



「え、嫌ですよ先輩っ! 死んだら結婚出来ないじゃないですか!」




成績はいいのにどうしてこうも馬鹿なんだ。
というか自惚れじゃないけど確実に俺の存在がコイツをそうさせてるんだよな。








「まず、男は妊娠できない」

「そんな現実覆してやりましょう!」

「・・・そんで男同士は結婚出来ない」

「海外行きましょう!」

「・・・そして俺とお前はまず、付き合ってない」

「先輩、好きです! 付き合ってください!」

「断る」













コイツは部活の後輩である。
入部してきて数日後、なんやらピンキーな紙が俺の下駄箱に入っていた。







『先輩、好きです。子ども産みましょう』









気持ち悪すぎて捨てた。



悪質な変態だろうと思って放置していたがピンキーな紙(ラブレターなのだろうか)はゴミ箱に入り切らなくなった。
耐えきれんくなって俺が教え込んでいたコイツに相談すると








「あ、それ俺です」









と、あっさり言われたので取り敢えず殴っておいた。




それからというもの、こうやって臆することなく大胆に告白してくるんだが……







「先輩、生理来ました?」





そろそろセクハラで訴えられるんじゃないだろうか。





馬鹿でセクハラで馬鹿な後輩を尻目に俺は深く重いため息を吐くのだった……




End

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