短編
□なんか違う
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「だから僕のこと好きなんだから告ればいいのに。僕も好きなんだからさ」
生徒会室に入って一番に言われたのがその言葉だった。
いや、は?
その言葉を言ったのは会計の今条 謙吾。
かなりの美形で今まで付き合ってきた奴は数え切れない。そんな今条に俺は恋をしてた。気付いたのはつい最近だ。副会長の三芳に『貴方、会計の事見過ぎですよ』と言われたのだ。
それから俺なりに考えて俺は今条が好きなのだと気付いたのだ。
いつか告白でも何でもしようと思っていた時。
「は?」
「だーかーらっ、さっさと告ってよ〜? 焦らすのはベッドの上だけにしてくれるぅ〜?」
何かが違う気がする。
告白ってもっとこう……ムード的なものがあったような気がする。少なくとも、相手側に急かされてするようなものではなかった気がするのだが。……生憎俺も告白というものをしたことが無い。
……結果が分かっているものならしてしまおう。
「お前が好きだ、付き合ってくれ」
「うん、いーよー」
こうして俺達は付き合うこととなったのだが。
やはり何か違う気がする。
End