短編

□縛りのある愛・・・?
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俺の名前は柴 慎治(しば しんじ)

俺の姉貴は柴 智美(ともみ)


そして













俺の恋人は狭田 貴(はさだ たか)


お嬢さんたちになら分かるだろう?





俺の恋人は……男だ。








問題なのはこの男が












『ねぇねぇ、慎治。昨日の男誰? どう考えても俺の慎治を狙ってたよねぇ。許せないよ、あんな獣みたいな目で俺の慎治見られても困るんだよねぇ。あ、そんな目は潰しちゃえばいいんだよねぇ。ねぇ、今度お話したいなぁ。男と男のお話☆』



「待て待て待て待て。落ち着け、貴。昨日の男? 誰だよソレ。昨日はお前と帰ったろ?その後……あ、あの駅前のか…」


『そう、だーかーらー! その人とちゃんとお話してちゃんと慎治が俺の物なんだって分からせるんだよ。まぁ反発する口は縫い付けてあげるんだけどね☆』



「怖いから。最後のは何だよ。縫い付ける? 何を? 『口を』……だから怖いって言ってんだよ!!」


『そんな怖がってる慎治も可愛いよ 』









ダメだ。まるで会話にならない……。




「ねぇ! 話してるの貴君よね!? 代わって代わって!!」


そして隣には興奮気味の腐女子……姉貴の智美だ。




「うるせぇ、今コイツの犯罪を必死に止めてんだから」



「もしかして! 駅前で話してたティッシュ配り中の爽やかイケメン君(慎治に獣の目を向けていたとされる)に嫉妬してお話するとかいう口実に持っていき反論する口は縫い付ける攻撃が始まっているの!? もう! 早く言いなさいよ!」







最近姉貴が怖いんですけど。





『あれ? 智美お姉さんいるの? 慎治、僕と話したいのは分かるんだけど話があるから代わってくれない?』


「はぁ…分かったよ……」


俺は姉貴にスマホを渡した。
食らいつく様に姉貴は俺のスマホに飛びかかり、得意のマシンガントークをかます。



「そうよね、そうよね!? ……えっ!? 嘘ー! そんな話聞いてないんですけどぉ! 貴君、水くさいなぁ! 仮にも義姉さんになるあたしになんの相談もないなんてぇ! で? で? …………うんうん! やっぱりそう来なくちゃっ!」









和気藹々と話してるみたいだけど俺としては震えが止まらない。




そろそろ俺、田舎に逃げた方がいいんでしょうか。

そんなことを思う俺の横で姉貴は楽しそうに貴と話していたのだった・・・。



End

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