短編
□取れたボタン
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くらくらする頭と動かない身体。
視界は暗く、空気は冷たい。
街の見回りを大我さんと弥夜としている時に後ろからやられたのだ。
「…だれかいないのかな」
きっと大我さんが助けに来てくれるから。
強さんが俺を捕まえた奴をやっつけてくれる。
俺はそんなことを呑気に考えていた。
これから起こることも知らずに…
「んぁ! …やぁあ! んん、ふぅ、ん!」
「うるせぇな! このガキ! おい、誰かガムテープもってこい」
「んん、んふっ、ん゛っ!」
俺は男たちに犯されていた。
目隠しをされて口を塞がれて…ずっと大我さんたちに守られてた俺にとっては触れてくる手も聞こえてくる音も快感も全てが恐怖でしかなくて。
ただただ、大我さんの声を待ってた。
みんなの声をひたすら待ってた。
「白楽!!」
「にぃさん!!」
その声が響いた時には俺の意識はどこかへ飛んでいた。