短編

□愛して見せてその証
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瞳也side





やべー、遅くなった……。
愛大拗ねてねぇかなぁ…。

ってか電話したのに出てくれねぇってことは寝てんのかな。
いやでもこんな時間から寝る奴じゃねぇしな。







俺は少し違和感を感じ愛大が待っている家へ急いだ。



















ガチャッ

「愛大ー……ただいまー…」

家の中は真っ暗で人の気配は無かった。

「愛大? 愛大ー」


どの部屋を探しても愛大は居なくて…。


玄関を見てみると愛大の靴が……無かった。







嘘、だ。
何で?

買い物? いや、材料はある。
どこかに出掛けた? なら何で俺に連絡が無い?












携帯を開くけど愛大からの着信もメールも無くて……。


俺は彼女の一人である緋音(あかね)に電話をした。

「あ、もしもし緋音!?」

『そーだけど? 忘れ物?』

「愛大が…」

喉の奥に言葉が引っかかってうまく喋れない。

『まーくんがどうかしたの』

「居ないんだよ…電話したのに出なくて…家に居なくてそんで……!」

『あー、落ち着けこの彼氏馬鹿が。こっちでも探してみるからメソメソしてないでさっさと探しな! …あとまーくんが出てく理由も探しなよね!』

「うん、分かった…」

『そいじゃ!』

勢いよく切れた通話。
緋音は俺の彼女歴が一番長い奴で信頼できるいい女だ。
あまり人に気を許さない愛大もよく話してるのを見る。


今はとにかく探さないと。

ピロリン〜♪

メールの着信音が鳴る。
愛大かと思い勢いよく携帯を開くけど受信したのは彼女たちからのメールだった。

《今新宿にいるので探してみますね!》

《まーくん、居なくなったって聞いたのでバイトに行くまでに探してみます!》

《瞳也くん落ち込まないでね。こっちでも探してみるから〜》

《お仕事休んで探します!見つかったらまた連絡します!》

《まーくん探してますぅ。あんまり遠くへは行ってないと思いますぅ》

《何かあるといけないのでマスターとお店で待機中です》

《知り合いにも捜索お願いしたよん♡まーくん早く見つかるといいね♡》







何かここまでやられるとホント涙出てくる。
よし、俺も探そ!












俺は夜の街を走った――――――――
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