短編

□冷えるから手を繋いで
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僕には家族が居ない。

瞳也も知ってる。












僕が家出をした日に火事で死んじゃったんだ。
今思い出そうとしてもどうして家出したのか。どうして火事になったのか全然分からない。
でも時々怖い夢を見る。


記憶の中にいるお父さんとお母さんと妹が僕の腕を引っ張って闇に持ってっちゃう夢。
嫌だ嫌だってどれだけ叫んでも闇に引き摺られるんだ。
暗くて寒い所に置き去りにされるんだ。


























でもね、

















最近の夢は













ヒーローが来るの


















瞳也が助けに来るの。
















暗くて何も見えなかったのに急に眩しくなって闇じゃない方に引っ張られるの。
顔を上げるとね僕の好きな笑顔で笑ってる瞳也が居るの。





















「愛大…、愛してる」


この言葉が聞けるのは僕だけで瞳也に言っていいのも僕だけなんだ。

あぁ、こんな幸せって……




























最高じゃん。



End

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