短編
□ボクノコト
2ページ/2ページ
「香弥君、ごめんね馬鹿どもが」
女子に慰められる始末………
「いや、本当みたいだし…大丈夫…だよ」
とは言ったものの……傷付くもんだよね〜
「香弥!」
噂をすれば…なんてよく言うけど正にこのことで
教室の入口には兄貴がいた。
この前作ったらしい頬に湿布を貼ったまま。
何をしに来たんだろうか。
「どーも、人気者のお兄様〜」
イヤミを言ってやった。
いつものお返しだ。
しかし兄貴は
「文句なら後でなんでも聞くからとりあえず来て!」
「は? 何? えっ!?」
俺はそんな感じで兄貴に連れられて屋上へ
「ごめんっ!」
「…今更謝らないでよ」
「違うんだ! 浮気じゃないんだよ!」
「浮気をしてる人に限って『してない』とか『違う』とかって言うんだよ」
屋上へ連れてこられてまず頭を下げられて今までの浮気行為の潔白を勝手に証明された。
「俺…お前と付き合う前はオンナ遊びばっかでセフレとかも沢山居たし…ホントに最低な奴だったけど……でも! 俺! お前と付き合ってから、こんなんじゃダメだと思って女の子たちに別れ告げてきたんだ!」
「ふーん・・・」
つまり…頬をぶたれてたのも女と会ってたっつーのも…別れるためってこと?
「分かった」
「へ? ほ、本当に!?」
「今後一切、俺のデートを断らないこと!あと…別れるために『最後にキス』とか迫られても絶対すんなよ!」
そう言うとパァと顔を輝かせる兄貴。
あぁ俺って兄貴に甘すぎる…
End