短編
□ボクノコト
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兄貴はモテる。顔も性格も男前だ。
それは決定事項だ。
次に！
俺と兄貴はその……付き合っている…
ま、まぁまぁこれも決定事項だ。
次に！
その……周りには秘密だ。
いや、これは当たり前か……
で、兄貴は何故か女癖が悪いっていう噂の中心人物だ。
これがダメ！
何？なんなの？
俺というものがありながら？
そりゃ兄貴が女の子に肩回したり頬にキスしたりするのはたくさん見てきてる！
でもそれを見ないようにしてたんだ。
なのに！
「お前の兄貴、また女とヤったらしいぞ」
「そっ、か……」
だからデートが出来なくて
「この前なんか駅前で女に頬叩かれてたしな！」
「ふーん…」
だからでかいガーゼ頬につけて帰ってきたんだ。
兄貴は何も教えてくれなくて俺と付き合いはじめると同時に多くなった噂の数。
前までは全然だったのに
今では毎日友達に聞かされる。
「でさぁ」
「ちょっとやめなさいよ！ あんたたち！ 香弥君が可哀想じゃない！」
「そうよ！ 面白がってんじゃないわよ！」