短編

□アネモネ
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「ねぇ、妃月。イキシアって花知ってる?」


僕はスマホを花言葉を調べてて妃月が知ってるかなと思ってそんな事を言ってみた。

「イキシア……? なんだそりゃ」

と首をかしげた妃月。
うん、可愛い。

「んーん。なんでもない」




僕には好きな人がいる。
でも全然気付いてくれない。
まぁその好きな人ってのは妃月なんだけどさ。

原井(はらい) 妃月。
中学からの悪友。で初恋相手……みたいな。











「あ、やばい、こんな時間だ。電車あっかなぁ」

このままここに居たらやばい気がする。
何か妃月こっちチラチラ見てるんですけど僕の気持ちバレてないよね!?

「帰んのか。急げよ」

うわぁ、妃月の声が悲しそうに聞こえる僕は末期だぁぁあ〜。

「ういっす。そんじゃあまた今度ね!」



パタン…………















「馬鹿だな、僕は」











あー、最悪。


好きだ好きだ好きだ好きだぁあ〜!
心の中で呪文みたいに唱えて悶える。





妃月に彼女さんとか出来ちゃったら男の僕は絶対敵わない。
うわ、想像しただけでも死にそうだな。







イキシアも好きだけど僕にはアネモネの方がずっと似合ってる気がする。
花言葉が結構お気に入りなんだよね

















『はかない恋』



End

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