短編
□謎解き迷路
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まぁいいか。
次の石盤、次の石盤っと、
少し歩くと後ろから聞いたことのあるような声が聞こえた。
『あったよ、こっち!』
後ろ?
バッと後ろを振り返るとアイツが居た。
いや、
幻覚だ。
瞬きをするともうアイツは居なかった。
「……馬鹿だな、俺は」
一人の人間に執着してるみたいだ。
仕事柄そんなことはしてはいけないのだが。
俺は探偵だ。
それなりに有名だと思う。
まぁ俺みたいな探偵がもうひとりいる。
名前は忘れたが警察のお偉いさんの息子だったか。
まぁいいか。
俺は見つけた石盤を覗き込んだ。
《家族構成を答えろ》
は?
この調子だとすべての問題が書き換えられてるみたいだな。
「母親と父親と姉と弟だ」
ピンポーン!!
これ、俺のプライバシーだよな。
何でピンポーンとか言ってんだよ。
《次の石盤を探してね》
あー、はいはい。分かりました。
俺はまた迷路の中を適当に歩き始めた。