短編

□謎解き迷路
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探偵Aside























ここはどこだ。















目が覚めると迷路の中に居た。

壁はコンクリートで出来ていて所々ヒビが入っている。

俺は……この場所を知ってる。


小さい頃迷い込んで……それで……誰かと一緒に謎解きして出口を……見つけた。




『またやろうね』






そう言われた気がする。



十年も前だからはっきりと覚えてないが綺麗な笑顔の少年だった。


「とりあえず出ないとな」









俺は幼い時の記憶は当てにならないと早い段階で判断し記憶を思い出すのをやめた。


「ここ、覚えてる」


まぁ記憶なんてものは勝手に出てくるものであって見覚えのあるものがいくつか見つけられた。







「あ、この石盤」


確か、謎解きの問題が書かれていたはず……。


《思い出の場所、三つ答えよ》





は?




十年前の問題じゃない。


誰かが変えた?


思い出の場所………?






俺は適当に『遊園地』と答える。


ピンポーン!!




合っとんかい!



「他には………水族館とか」


ピンポーン!!


「………………これ何言っても正解なんじゃね?」


もうそんな気がしてきたから行ったことがない所を答えてみる。



「牧場」


ブッブー!!


あ、ダメなんだ。








「んー、学校………とか」



ピンポーン!!


《次の石盤を探してね》


石盤の問題の文字が消えたと思ったらそんな文字が出てきた。


次の石盤ね………。



『こっちだよ! ――――――なんだ!』



アイツの声がする。

ここで一緒に迷い込んで……一緒に謎解きをしたアイツの声が。


あれ、名前……何だったっけ。



『僕は――――――っていうの! ―――って呼んでね!』
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