短編
□吐き出そう、この想い
2ページ/4ページ
馬鹿だ俺馬鹿だ俺馬鹿だ俺えぇぇえ!
何で倒れてんだよ!
何で保健室のベッドで寝てんだよ!
あーもー!
意味わかんねぇ・・・
ガララッ
『しつれーします』
え、木坂先生?
何で…?
彼女さんと一緒にいたはずじゃ…。
『尋木居ますか』
『こちらのベッドで眠ってますよ』
『ありがとうございます』
木坂先生と保健の先生が話しているのが別世界に聞こえて……
カーテンが開いて木坂先生が入ってくるのも幻想みたいで………
( ゚д゚)ハッ!
なわけねぇだろ!
「起きてたのか。尋木、大丈夫か?」
そんな優しい目をこっちに向けないで。
その目は彼女さんに向けないと駄目だよ……。
あ、れ……?
何で俺泣いてんの……。
「尋木………どうした?」
やめて。やめて。
そんな目で見ないで。
先生にそんな気は無くても
期待しちゃうだろ。
もう
俺なんか
「………てよ」
「何?」
「ほっといて、よ」
「尋木? ……大丈夫か?」
「うるさい。あっち行って。俺に関わんな」
近くにいたら離れられない。
もっと好きになる。
でも
それは
先生に迷惑になることで。
「尋木…、………彩水」
「………っ!」
先生……今………俺の名前、呼んだ?
「彩水、話してくれ。何があった」
ずるいよ、大人は。
ずるすぎる。
何で
何で
もう
嫌だ
「一人にしてよ」
お願いだから
「優しくしないで……」