短編

□吐き出そう、この想い
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先生side



「じゃあ、またね」

学校まで忘れ物を届けに来た人物を見送ると俺はさりげなく窓を見た。
うわ、めっちゃギャラリーいるし。
さっさと校舎入ろ。




「センセ!さっきの騒ぎは何ですか!学校に恋人なんて呼ばないで下さいよ!」

職員室に戻ると学年主任の先生がカンカンに怒りながら耳元で叫んできた。

うるせぇなぁ。



「恋人なんていませんよ、俺」





「は?」





なんて言って間抜けな顔をする学年主任のお姉さん←

いや、だから恋人じゃねぇって。













「何か勘違いされてるみたいですけどアレ、双子の妹ですから」











学年主任や他の先生は唖然としている。

生徒の言葉丸呑みするあんたらが悪いんだろうが。
俺は知らねぇ。


ガララッ

「木坂先生ッッ!!」

来た来た。
生徒等も勘違いしてるんだろうな…。
メンドクサイ…。


「あのなぁ、さっきのはt「尋木が倒れたんですッッ!!」………は?」


尋木……尋木………じんき?


あー、うちのクラスのガリ勉君か。


倒れた……?

アイツ体調良くなってなかったのかよ。


数日前、意識が朦朧としていて薬が飲める状態じゃなかったアイツに口移しで飲ませたのは何となく覚えてる。

というか忘れらんねぇ。



男にキスしたとかそういうんじゃなくてアイツが男でも女でもあの唇の感覚は忘れないな。


『せんせ………ありが、と』


小さな掠れた声だったけどそう言って笑ったアイツが可愛いと思ってしまった。

いや、可愛かったな。




「木坂先生?」

「俺が見に行くからお前は戻ってろ。………楠木(くすき)だったな、サンキュ」





俺は保健室へ向かった。
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