短編

□押し殺そう、この想い
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キーンコーンカーンコーン

次移動か……。

「おい、尋木! 大ニュース、大ニュース!」

「ん?」

クラスの男子が俺の方を思いっきり叩いてそう言った。
ってか痛い……。











「木坂先生、彼女いんだって!」












ツキンッ








「あんだけ男前だったら居るだろうな、彼女の一人や二人くらい。で? それがなんだよ」


胸が痛い。苦しい。イライラする。
先生に彼女?

馬鹿か、俺は。
少し考えたら分かることだ。
あの容姿で恋人が居ない訳が無い。寧ろ居ない方がおかしいだろ。

なんでこんなにも………。


「今外に居るんだよ」

男子生徒は俺に有無を言わさず腕を引っ張って廊下に出た。
校舎裏にいるのか……。

見たくない。
先生が女の人と並んでるところなんて見たくない見たくない見たくない。




廊下の窓から校舎裏に居るであろう先生の姿を探すと


居た………。

その隣には

「綺麗………」




先生と腕を組んでる彼女さん。
笑ってる。



嫌だ。

駄目だ。

認めない。

先生………違うよね?







先生が笑顔を向けてるのは彼女さんで
先生の隣が似合うのも彼女さんで
お似合いと言われるのも
幸せにって心から言われるのも










俺は







俺は











「認めない………」
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