短編 壱

□サラダの義兄主
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造られた生命





俺が産声を上げた時、そこに父と母の姿はなく。ただ白衣を着た怖そうなニンゲン達が居て、俺は、それを











「……ナナシ?」

「どうかした?ナナシ」


「……何でもない」




しまった、任務中なのに感傷に浸ってしまった。

俺の名はうちは ナナシ。
うちは サスケとうちは サクラの細胞から造られた『ヘイキ』らしいが今の所はどうか分からない。
それを知ってるのは6代目と7代目、そして両親と妹、班員やその他の数人の上忍だけだ。


「まぁ、これ終わればやっと里に帰れるんだしさ!ちゃちゃっとやっちゃいましょーよ」


第2班では紅一点のリコが印を結ぶ。

「水遁! 水陣壁!」

水気のない場所でこれだけの水遁が使える様になったのは里を出てどれほど経った時だったか。
いずれにせよ里を出た時よりも随分強くなっている。


「……3人か、思ったより少ない」

「結構な手練ばかりよ。油断しないで、ナナシも写輪眼はあまり使わないようにね」

「了解。ブンタ、お前は土遁で一人頼む」

「ん〜、りょーかぁい」



ゆるゆると軽い口調で言った高身長のブンタは大きく欠伸をしてから印を結ぶ。



「土遁結界! 土牢堂無!」



俺は地面を蹴って残りの2人を仕留めに掛かる。

……1人は血継限界の持ち主…。


「火遁、豪火球の術」

嗚呼、少し身体がだるい。
リコの言う通り、写輪眼は使わない方がいいかもしれないな。



―――――――――――――――…。




「呆気ないわね、罠かしら」

始末した敵の忍を足元に周りを見渡すリコ。


「それは無いんじゃなーい?1人は血継限界持ってたみたいだし〜…、罠に使うほどあっちも余裕無いっしょ」


Sランクの任務が書かれた巻物をしゅる、と巻き戻したブンタはそれをポーチに入れて伸びをする。

すっかり殺気の無くなった周りを見渡してから森の出口に懐かしい門を見つける。



「………帰るぞ」

「そうね、帰ってお風呂入りたい」

「んー、火影様に褒められたいなぁ」



俺達は瞬身でその場を後にした。





End
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