短編 壱

□人類最強の恋人主
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自分の恋人は





「……リヴァイ」

「…………、」


俺の膝で眠るのは人類最強と名高い潔癖症な彼。
戦力ではなく雑用係としてリヴァイ班に配属されてかなり経つ。
巨人になる事の出来る猪突猛進な新人君やら自分の真似事をして舌を噛む班員やその他諸々に囲まれて何やら楽しそうにしている彼を見るたびに俺も楽しいっちゃ楽しい。



「…そんなに見るんじゃねぇ、ナナシ」

「おはよう、リヴァイ」


随分お疲れの様子だった彼は少し瞬きをしてから身じろいだ。

「まだ寝てたらいいのに」

「エルヴィンの奴がこっちに書類を回しやがったからな」

「…仕事終わりは紅茶?コーヒー?」

「……ナナシ」

「……りょーかい」


ハンジに見られたらまた巨人を見た時みたいな変態顔でニヤニヤされるに違いない。
エレンが唖然とするほどにリヴァイは俺に甘えきっているらしい。



「リヴァイ、お願いが一つ」

「何だ」

「……仕事が終わった人類最強の残りの時間は俺に下さい」



































「……構わん、好きにしろ」


そう言って立ち上がったリヴァイは綺麗に整頓された机に乱雑に置かれた書類に手を伸ばす。




俺は膝にあった温もりが無くなったのでそのままそれを抱える。
三角座りをしながらリヴァイの背を見る。



ああ、今日も俺の恋人は




格好良くてずるい。







End
 

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