短編 壱

□転生冥王息子主
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逢えるなんて夢物語




ジクジクと痛む肩。
何とか逃げ出した俺と女の子たち。
女の子たちは『大丈夫?』とか『お医者様を呼ばなきゃ』とか言ってくれてる。超優しい。でも待って洒落にならんくらい痛い。

でも格好付けたい。



「気にしないで。俺は俺で何とかするから」

「ダメよ! そうだわ、レイさんなら何とかしてくれるかも!」


はて。
レイさん……レイさん……



レイリー・・・・?




「あ、大丈夫大丈夫! ほら、人攫い屋さんまだ近くにいるかもだし、逃げな! ほら、行った行ったー!」


それでも怪我をそのままにしておいちゃダメ、とか凄く心配してくれる女の子たちを無理矢理行かせてその場に座り込む。小さな路地だし誰にも迷惑かけないしいっか。


いや、よくねぇ。めっちゃ痛いわボケ。






───────────…















ふわふわと薄れつつある意識の中、俺は何かに包まれていた。




なに、


誰、





『それは君がよく知ってるじゃないか』




俺が、



知ってる……?





『そうだ、だから逢いに来てくれたんだろう?』


逢いに、






そう、




俺……











貴方に、逢いたくて、







『……なら、』






『―――――――――、』






なに、よく、





きこえない……。








ふわふわと
ふわふわと


俺の意識は静かに闇に消えていった





End
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