短編 壱

□クラスメイト主
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名前の無い教科書2






無事退院出来た俺は明後日からの学校に備えて授業の準備より何より月島のジャージを念入りにチェックしていた。

多分俺の制服が血だらけになっていたから自分のジャージを着せてくれたんだろうことは分かった。


でも月島はバレー部だ。
ジャージが無くては困ってしまうだろう。
だから俺は先生に報告も兼ねて早めに行くのでその際に朝練するバレー部に届けようと考えたのだ





‐当日‐



「あの、月島蛍って居ますか?」


落ちた強豪、飛べない烏と他校の友達が言っていたのを頭の端で思い出しながらそんな台詞を口にする。
入口付近にいた部長らしき人に事情を説明すると月島はまだ来てないらしい。


「直接返したいんですがこの後先生から休んでた分のプリントとか授業内容とかの説明があるので申し訳ないですが渡しておいてくれませんか?」


そう言うと部長らしかった澤村先輩は快く引き受けてくれた。優しい人だなぁ。



「ねぇ、」


やっぱり直接渡した方が良かったかもしれない


「つ、きしま……」

「怪我、もう平気なの?」


あれ?


「嗚呼、うん。痛み止めは時々飲むけどもう平気」

「そう。あ、ジャージ有難う」

「いや、こちらこそ」


直接渡せなかった事怒ってない・・?
結構そういうの気にするのかと思ったらあっさり?


月島と普通に会話できた事が嬉しくてその後山口と話してる内容は俺の耳には届かなかった。



『ツッキー!何で彼処で怪我治ってよかったって言わないの!』

『うるさい山口』

『ごめんツッキー!…あっ、つい反射的に言っちゃった』


『(ホント、うるさいっての)』


End
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