短編 壱
□暗部主
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飴1粒
「ナナシ先輩」
買い物の帰り道、巻物を持った後輩が笑顔で立っていた。
―――任務か。
「…うわ、何だこの任務…エグいなぁ」
「火影様から言伝を、『成功させろ』だそうです」
火影の席に座る目つきの悪い老人を心の中で睨みつけた。
「カカシ君やい」
「何です?」
「ちなみに「出来ません」……食い込み気味に来るなよ、はいはいどうせ強制ですよね分かってますよー」
俺は後輩から巻物を預かってその代わりにその後輩の掌にオマケで貰った飴玉を一つ、乗せる。
「ちょっと準備してくるからその間それで待ってて」
「俺は子供ですか」
「俺よりはな。…じゃあ門の前でまた」
「はーい」
瞬身で急いで家まで帰って、買い物袋に入ったままのインスタント類を机に投げ付ける。
しゅるりと巻物を見てじっくりと確認してもエグい内容は変わらない。俺より優秀な後輩となら何とかなるかもだが。
帰ってくるのは2週間後か。
「元気でいろよー」
サボテンの仙ちゃんに水を上げて暗部服に着替える。
窓の鍵や元栓をしっかり閉めて、最後に玄関の鍵も閉める。
「さて、行きますかー」
今日も木の葉は平和です。
End