海賊 2
□序章:エース奪還します
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マリンフォード頂上戦争────。
かの海賊王の息子であり、白ひげ海賊団二番隊隊長ポートガス・D・エース、又の名を【火拳のエース】が処刑される。
そこには白ひげ海賊団やその傘下の海賊団が集まり、エース奪還を試みた。しかし、そう易々と渡してくれる海軍ではない。後にそう呼ばれるこの戦争はエースと白ひげの死によって終わりを告げる。
これが彼の“読んだ”知識だ。
《本当にやるのか?》
横にいる大きな白狐が炎の上がるそこを見て今更ながらに言った。
その問いにフードを被った青年はゆっくりと、しかし意志を持って頷いた。
そうして大きな鎌を持ち揺らすと今、正に海軍大将が麦藁を守る火拳に拳を振り上げていた。
そう、彼は。
リトはこの日の為だけに己を鍛え上げたのだ。
もう迷いはない────────。
リトはその地面を強く蹴った。