短編V

□足して2で割る
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会計side



風紀室に資料を届けて生徒会室に戻ろうとしたんだけど何やら“また”役員達が中に入れないみたいだねぇ。



「今度は何をやらかしたのかねぇ、あのバカップルは〜」


半分呆れ、半分楽しみにドアに近づく。


「どぉしたの?」

「会計様! 副会長様が会長様に拉致られました!」




頼むから部屋でやってくれないかな、バ会長めが。



「ふむふむ、分かった。僕がなんとかしてみるねぇ」



戸惑う役員達を置いてノックもせずにドアを乱暴に開ける。
すると中には泣きながら上を向いている副会長とその副会長の肩をやんわりと持ちながら目薬を持つ会長の姿があった。



「……何やってんの」


思わず声が冷たくなってしまった。
役員達放り出してまで目薬注さなくていいから。
というか目薬くらい1人で出来んだろ。お前ホントに高校生かよ。


とまぁ、本音ダダ漏れたところで。


「最近コイツの目が荒れてた。あまりに擦るものだから見ていられなくてな」

「で、目薬を注してあげてると?」

「あぁ、自分じゃ怖くて注せないみたいだったからな」

「で、副会長が泣いてるのはなんで?」

「あまりに上手く注せなくてな……」

「……はぁ、」


結局お前も不器用かよ、このぶきっちょカップル。


「とにかく、役員達を放り出してまですることじゃないでしょーが。副会長には僕が注してあげるから会長はこの前やった分まで理事長に届ける!みんな、入っていいよ」





本当にこの2人には骨が折れるねぇ…



End

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