短編V

□…分かったから落ち着け
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「不良がデレた...! この世に不良受けの光が注ぎ始めたぜっ!」





とまぁ馬鹿な事を言い始めたのは俺の恋人の立花 空(たちばな かなた)である。

空は『フダンシ』という生き物らしく常に薄い本を持ってニヤニヤしている。



とかいう俺は








「里葉君! 見て! これがジーザスだよ!」



町田 里葉(まちだ りば)
まぁここら辺一帯を仕切っている不良である。




「ジーザス? なにそれ」


「おやおや、ジーザスを知らないのかい? この薄い本に出てくる総攻め君だよ! あぁ、あんな堅物だった不良君を攻め続けて堕とすとは...ジーザスやりおる!」







という事らしい。



全く意味が分からないが、まぁ楽しそうなのでよしとしよう。







空の家は両親共に働きに出ていて兄も居るが滅多に帰って来ないため、俺の家に入り浸っている。








「あっれー? 空じゃん」





そう言ってリビングにやって来たのは俺の姉貴である町田 里沙(りさ)



「うおっ、里沙様じゃないですか。ジーザス君が不良君を堕としましたよ」

「うっわ、まじでか。次は会長行くんでね?」

「有り得ますね! でも会長、なんか会計好きですってオーラ出てたじゃないっすか」

「馬鹿だな〜会計は風紀副と付き合ってんだろ? じゃあその弱みにつけ込んで会長もさっさと堕としちゃうかもよー?ほら最近長丁場だったし短期戦来るかも」













まぁこの会話から分かるように姉貴は空と同類である。

俺は目を閉じた。


薄い本を一ページめくる事に大きくなる歓声を聞きながら・・・


End

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