お題小説
□真冬の恋7題
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【きらめきに誘われて】×イキシア
学校帰りにカフェに寄るお話
「おーい、妃月! 遅れてごめん、今日日直なの忘れてて!」
「全く仕方ねぇな」
冷たい風が通り抜ける12月。
今日は職員会議があるとかで早めに終わったのをいい事に来夏と駅前に出来たカフェに行こう、という話になった。
「ほら、指先赤くなってる。これ使えよ」
「わあ、さんきゅ!」
俺がつけていた手袋を貸すと来夏が嬉しそうに笑う。あーあ、鼻の頭も赤くなってる。
寒さに弱いんだからちゃんと対策してこいよな…。
「あ、見て。トナカイのイルミネーション」
「ああ、そっかクリスマスか」
「今年は予定ある?」
「いんや、いつも通り家族と過ごすけど。お前は?」
「うちもそんな感じかな〜」
あー、今年も誘えな
「あ、じゃあさ。クリスマスイヴどっか行こうぜ」
「おう、分かった」
咄嗟に返事出来た俺。そして声。
全力で褒めたい。
今年のイヴとクリスマスは土日。部活も休みなのは確認済み。誘えないくせに予定は空けてたなんて。…なんて虚しい。
「妃月?」
「ん? あ、カフェってあれか」
「あ、そうアレ! 流石クリスマス仕様…イルミネーションめっちゃある…」
カフェの店先にはトナカイやサンタのイルミネーションがキラキラと輝いている。まだ外は明るいがそのグラデーションには目を奪われた。
「そうだ、イヴ何するかカフェで決めよう!」
「ああ、そうだな」
まあ、楽しそうにしてる来夏が1番可愛くて俺の目を奪っていくんだけどな。
【きらめきに誘われて】
End