お題小説

□闘病中な彼のセリフ
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心配して欲しいって言ったら?】×寂しがり屋なウサギです

弘典が学校に来る話







「生白、久しぶり〜」
「おぉ、何かいつにも増して楽しそうだな」
「陸飛は相変わらずセコムか!」


俺の周りが騒がしい。
それもそのはず。今日は予告無く学校に登校したからだ。担任は大層驚いていて理事長に連絡を入れるとか言っていたが今日と明日は確か京都の方で会合だとか言ってたからそうやすやすと帰って来れないと思う。


「なぁ、墨田に言ってねぇの?」
「昨日、明日は朝来なくていいとだけ」

「そろそろ他クラスにお前が来たって広まる頃だし来る―――「先輩ッッッ!!」ほれ噂をすれば」

陸飛の言葉を遮って教室の入口にいるのはどうやらここまで全力疾走してきたらしい恋人だった。


「驚いたか?」
「驚いたって言うより体調は!? ちゃんと身体冷えないようにしてるっすか!? 先輩と学校で会えるなんて嬉しくて仕方ないっすけどあんまり無理しちゃダメっすよ!」

この間寮で無茶した時よりマシンガントークなんですけども。

「なぁ、墨田って生白にはあんなんなの?」
「通常運転」

あと外野が五月蝿い。
通常運転、ではあるけどビックリし過ぎて暴走気味だな。


「謙人、俺しっかり防寒もしてきたし朝熱計ったけど無かった。それに陸飛も居るし」


そこまで言えば今度はガバッと抱き締めてくる謙人。今度は何だどうした。

「俺の先輩がこんなに眩しい……!」

意味不明。
でも何か涙ぐんでるし、陸飛を見遣っても呆れ返って助けてくれないし。


「でも聞いた時驚きました。いつもなら保健医にちゃんと診て貰ってから登校してますよね? 今日はホントどうしたんすか」

「…………えっと、」

「……?」


「し、



心配して欲しくて、って言ったら怒る、よな…?」


自分でも呆れるような理由だが、当の謙人は固まってしまって答えを得られない。


「謙人?」
「や、


やっぱり俺先輩好きです……!」

「おう、知ってる」


親指を立てて言えば更に強く抱き締められて陸飛に助けられたのはここだけの話である。




【心配して欲しいって言ったら?】



End
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