お題小説

□年上に恋する彼のセリフ
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俺が年下だからって、からかっているんですか?】×海が綺麗ですね


子供扱いが嫌なお話(少し未来設定)





「いつまでぶぅ垂れてるの、たっちゃん」

「先生、『たっちゃん』って僕もう高校生ですよ、声変わりもしました」

「そうね、たっちゃんは声変わり遅かったものね」

「だからぁ……!」

竜矢は中高一貫の学校に特別免除されながら通っている少し有名な生徒だ。身体が弱かった過去を持ち、今も体育の実技や水泳には参加出来ない。

「あら、なら何て呼ばれたいのかしら」

そんな竜矢は目の前の女性……に見える男性教師、風屋に子供扱いされる事をとても嫌がる。
それが恋心からくるものだとは本人はおろか風屋すらも知らずにいる。


「……竜矢、」

「流石に元生徒を呼び捨てには出来ないわよ」

「じゃあ、竜矢君で」

「…………、竜矢君?」

「やっぱり『たっちゃん』でいいです」

「なぁにそれ」

妥協したにも関わらず少し拗ねた顔をしたままの竜矢に風屋は席を立つ。
回転式の椅子がキュル、と音を立てた。

「海が、綺麗ですね」

「え、?」

「意味くらい分かって言いなさい、大人ならね」


竜矢は狡いと思いながらも渋々頷く。
そうして風屋の白衣の袖を掴んで言った。


「あんまり、からかわないで下さいね」


その言葉すら笑って躱した風屋に竜矢は悔しさと期待を噛み締めたのだった。







【俺が年下だからって、からかっているんですか?】



End
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