お題小説
□日常シーン10題
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【午後の陽射し】×傍観者
会長を看病しているお話
ぱたん、と扉が閉じる音がする。
仮眠室で眠るのはこの学園の生徒会長様。
季節外れの転校生が以下略。
これを見ている貴腐人様と腐紳士様はわかってくれると思うので割愛。
うん、よく眠ってる。これは風紀委員長からの依頼。生徒会長様の看病と奉仕。いや、僕ってば何でも屋じゃないんですが・・・。
そして生徒会長様からの依頼は。
王道君(アンチ)の転入少し前に海外出張に行った理事長が帰ってくると同時に学園の現状を報告する、というものらしい。
・・・いや、理事長帰ってくるの明日ですけど。滅茶苦茶寝てますけど。既に明日の便で帰ってくるって情報は手に入っている。
「ん、」
「おや」
「だれだ・・・」
生徒会長様の寝惚け声とか高く売れそ・・・仕事脳は今は抑えておこう。
取り敢えず此処は冷静に。寝起きでも依頼内容は覚えてるだろう。
「情報屋、zoneです」
「こんな事までするのか」
「これは・・・、別の方からの依頼です」
「はっ、バカ風紀が・・・」
・・・案外察しの良い方だな。
にしても風紀と生徒会の仲が悪いというのはやっぱりガセネタか。それとも今回の件で一時休戦か。
・・・考えても仕方ないか。
「依頼の事ですが、理事長が明日帰ってきます。それに添える様な仕事はこなすつもりですが、少しだけ会長様に協力してもらいます」
「それは構わないが・・・」
「そうですか、安心しました。
では今は休んで下さい」
「しかしお前の仕事が」
「会長様の看病は他の方からの依頼ですから、僕の仕事です」
そこまで言えば会長様は観念したのか目を閉じた。頑固って聞いてたけど案外聞き分けが・・・いや、「仕事」って単語に弱いだけか。
まぁ、ちゃんと療養させるか・・・。
えと、よく食堂でうどん食べてるって情報もあるしそれでいいよね。
キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン――・・・
遠くで鳴るチャイムの音にカーテンを閉める。午後の陽射しは暑い。それに眩しい所で眠れないとかいう情報も持っていて良かったとは思う。
さて、風紀委員長に定期報告しに行くか。
【午後の陽射し】
End