お題小説

□日常シーン10題
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真夜中の公園】×攻略成功


出会った頃の事のお話










剣斗と初めて会ったのは真夜中の公園。
期間限定のゲームを買うのに出掛けた筈だったのだが、当時彼のチームと敵対していたチームのメンバーにカツアゲか何かの対象にされて襲われかけた時だった。

「おい、何やってんだお前ら」

ヒーローみたいに現れたんだ。
剣斗は一人だったのにそんなハンデものともしないで喧嘩して全員倒してた。
そうして震えてた俺に上着を掛けてくれた。かすり傷や打撲痕だらけの腕や身体に包帯や絆創膏をくれて、大丈夫か、ごめんな、って見ず知らずの俺に随分と優しくしてくれた。
いい、と断ったのに家まで送ってくれて、親に頭まで下げていた。剣斗が助けてくれたのに。剣斗は悪くないのに。
それでも剣斗は自分と同じ様にこの街で活動する不良達が、一般の、何の力も持たない俺という存在に手を出したのは許されるべきことじゃない、と。必ず謝罪させる、と。土下座までして帰っていった。


その日から剣斗は俺を気にかけてくれるようになった。紆余曲折あって付き合う事になるまで色々あった。だけれど。


「宗藍、ここの敵強いな」

「剣斗、それ初心者クエストじゃないよ」

「まじかっ!?」


今、剣斗と一緒に居られるのは何だかんだあの人達のお陰だから少しだけ感謝してる。
血塗れになりながら謝ってきたのもいい思い出かな。なんて




【真夜中の公園】

End
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