お題小説

□過保護な彼のセリフ
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俺を困らせたいとしか思えないな】×ぐっともーにんぐ?


リューちゃんが嫉妬する話












アイツがおかしい。

最近付き纏ってこない。それどころか女子と一緒にいるようになった。




「おい、実千(みち)

「ごめんね、リューちゃんっ! 今日もトモコちゃんと帰るんだ! またね!」



ずっとこんな調子で…





あーもー! イライラする!




お前は俺のそばにいるのが当たり前だろ。
一生一緒に帰るんだって馬鹿な事言ったのはお前だろ……。
なんで俺がこんなに必死になってるんだよ…

なんで……お前が離れてくんだよ……














ぴーんぽーん









来ちまった……アイツの家。




最悪だよ、ほんとに。





「あらぁ! リュー君じゃないの! 久しぶりねぇ! ごめんね、実千ったらまだ帰ってなくてぇ」


出てきたのはアイツの母親。
相変わらずのハイテンションだが俺の様子がおかしいことに気がついたのだろう心配そうにこちらを見てきた。



「実千と何かあったの……?」



「...あいつ帰ってくるまで部屋にいていいですか」



目を見ては言えなかった。
おばさんはすぐに了承してくれた。








アイツのゴチャゴチャした部屋に入ってベッドの上に座った。













暫くすると









ガチャ



「ただいまー! 母さん、誰か来てんのー?」



馬鹿みたいなアイツの声が響いた。


それからよく聞こえないがおばさんの声がしてバタバタと上がってくる音がした。




「リューちゃん?!」


「おう、馬鹿。おかえり」


良かった、ちゃんと声出せた。


急いだように部屋に入ってきたアイツは落ち着いたようでカバンを置いて俺を見た。


「どうしたの、急に」

「……いや、別に」

「リューちゃんが家に来るなんて珍しいじゃん、母さんが『リューちゃんが自殺志願者みたいな顔してる』っていうから慌てて来たのに」


おばさん…大袈裟すぎ。


「で、何かあったの?」


「お前が」

「……」

「お前が最近一緒に帰ってくれないから…」

「……」

「それに授業中も休み時間も昼休みも全然ちょっかい掛けてこないしっ!」

「……」

「…トモコって子の方ばっか向いてて…寂しかっt「あーもー! 可愛すぎでしょリューちゃん!!」………………は?」


そう言って抱きついて来た。
いや、今何つったお前。


「いやぁ、トモコちゃんがリューちゃんの事好きとかいうから近付かせてくなくてずっと一緒にいたけどまさかリューちゃんが嫉妬してくれるなんて思って無かったなぁ...! まぁ今日聞いたら俺の方を好きになったとか言って告ってきたから勿論断ったんだけど……っ?! リューちゃん?」



俺は思いっきりソイツに抱き着いた。



















「馬鹿……お前は俺のだろうが…離れてんじゃねぇよ」




「っ...」


「おい……?」









「うん、ごめんねリューちゃん」



そう言ったソイツは俺の額に軽くキスを落としたのだった。



【俺を困らせたいとしか思えないな】


End
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