お題小説

□過保護な彼のセリフ
1ページ/5ページ

俺の目の届く範囲にいてくれ】×なんとか陀仏





なんとなく呼んでみると反応がなくて焦るお話










今日は仕事も休みで久々にゆっくり出来る日だった

まぁ一人暮らしだから話し相手に友人を当たってみるも、仕事や用事があるらしく無駄足だった。


...出来るだけ話しかけたくはなかったが俺の部屋に住む地縛霊――ハルヒに話しかけてみることにした。





「おい、ハルヒ」




名前を呼んだのは随分久しぶりだ。
いつもは「おい」とか「お前」とかって呼んでるから何だか擽ったい。







「ハルヒ、居ねぇのか?」





アイツ地縛霊だよな?
あ、でも自称か。


まぁでも何処かに行く素振りも見せなかったし...地縛霊なのは本当なんだろうけど...




「ハルヒー?」




柄にもなく部屋で一人、幽霊を探す三十路とか笑い者だわ













...居ねぇな。










「おい、ハルヒっ? ...居るんだろ?」



あれ、



「ハルヒ! ...なぁ、どこにいんだよ」




なんで、





「ハールーヒー君っ」




こんなに、















「返事しろよ〜」














焦ってんだろ...













「ハルヒ? なぁ、何処に隠れてんだよっ」




「ハルヒー! ハールーヒー!」



「ハルくーん! ヒルくーん! ハルヒル君!」











ダメだ。だんだん頭おかしくなってきた。なんだよ、ハルヒル君って。











俺は探すのを諦めるとソファに横になって目を閉じた。





















『...さん! ...ひ、...ん!』



誰だよ...こっちが気持ちよく寝てるってのに...




『...るひ、さん!! ...晴日さん!!』




耳元で大きな声がしてガバッと起き上がると数時間前までその姿を探していたハルヒだった。




「お前、なんで...」


『すいません、ついうっかりお昼寝してました★』








そういったソイツに身体の力が抜け、ホッとしたのは言うまでもないだろう。




【俺の目の届く範囲にいてくれ】



End
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ