お題小説

□初々しい恋10題
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この恋、きみ色】×sweet lover




これは那古が津一にアタックする話






「津一君! おはよっー!」



「あー…おはよーございま…ん?」




朝からのハイテンションに答えようとしたが相手の声に違和感を感じて俯きがちだった顔を上げた。





そこには現在進行形で世界に名を轟かせている有名なパティシエ、永嵜 那古(ながさき なこ)さんの姿が…









「あんた……こんな所で何やってんすか」




「津一君に会いに来たに決まっt[プルルルルルッ]……ハァ」





俺は電話を取った永嵜さんの横を通ろうとしたが、ガシリと腕を掴まれて進行困難となった。





「はーい、世界のパティシエ、永嵜 那古でーす。……はいはーい? ……え、フランス? 今から? ……えー! 聞いてなーい! 無理無理! ……だって今、津一君のとこに………うぇえ、まじですかい……」



どうやら用事ができたみたいだ(ヨッシャ)






「でも他の人でも代用できるんでしょ〜? だったら断りでーす。……はいはーい、聞こえませーん[ブチッ]」




用事を断ったみたいです……



断ったみたいです……?













は?








「大事な用事じゃないんですか?」

「フランスの大使館に振る舞うデザートの話ってだけだから大丈夫」





絶対大丈夫じゃないっ!!



フランスの大使館?


テレビでやってたじゃん、あの怖そうな人……






まぁ俺の問題じゃないし……いっか。






「という訳でハイこれ」






永嵜さんがそう言って俺に渡してくれたのはカップケーキ。
それも女の子が作りそうな簡単なヤツ。





「今日は津一君と出会って1ヶ月経ったからそのお祝い」










これだけの為にフランスの大使館の話を断ったのか?

俺にこのカップケーキを渡すためだけに?




なんていうか……










「有難うございます……でも、」








「ん?」









「仕事は……キチンと…して下さい」

















俺がそう言うと永嵜さんは少し困ったように笑ってからゆっくり頷いた。







「あっ、そうだ! あのね! 今度僕が出演する料理番組があるんだけどね! それの試食委員のチケッt「永嵜さんっ」…ぶぅ…」




俺がそういうの苦手って知ってるからあまり言ってこないけどこういうのはやめさせないとなぁ。


俺だけこんなに大事に扱われたら永嵜さんのファンに殺されるわ。





「じゃあねー!」





少し経って本当に俺にこのカップケーキを渡すためだけに来たらしく手をブンブン降って帰っていった。





子供みたいだな……って笑ってたけどその数ヵ月後にあの人から告白を受けるのはまた別のお話……




【この恋、きみ色】

End
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