お題小説

□初々しい恋10題
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残念ながらベタ惚れ】×リミテッド


これはまだ樒が八歳の頃のお話です。











「あー、やべ、くっそ可愛い」

「可愛く、ない」

「大丈夫。可愛いから自信持て!」

「……嬉しく、ない」



あ、どーも。殺し屋の(かき)と申します。ハイそこ、新キャラ影薄いとか言わないの。俺は影薄いのを売りにしてる殺し屋なんですから。
とまぁ、俺の説明もこんな感じで終わらせといて…。


俺の目の前にいるのは
あの有名な殺し屋、刄とその息子(仮)の樒です。

刄さん、樒に猫耳つけてテンションめっちゃ上がってます。


うわー、あんな刄さん見れるとか俺の人生いつ終わっても文句ないわ嘘ですごめんなさい生きたいです。



……それに対して樒は不機嫌そうに口を尖らせてます。
いや、そんな行動も可愛いようん。


「うわー、待ってめっちゃ可愛い」

「だから、可愛く、ない」



あちゃー、完全に機嫌損ねちゃった。
おぉ、刄さん慌ててる…。
なんか新鮮。



「マスターに、言い付ける」


そう言ってカウンターに入っていった樒。


「はいはい、何ですか。随分可愛らしい格好していますね。刄の仕業ですか」


この店のマスターである彼はクスクスと笑いながら刄と樒を交互に見てる。

刄さん呼び捨てに出来るとか大人ではこの人だけだぜ・・・スゲェ


「刄がいじめて、くる」


おいぃいい!!
虐めてたかもだけど虐めではない!

あー、ほらぁ



「刄? 上でお話でもしますか。勿論銃はお忘れなく」


マスターの説教(というかもう拷問)始まるじゃん。


落ち込んだ様子でマスターに付いていく刄さんの手元には・・・





猫耳姿の樒(明らかに盗撮)が写っていた。
あー、この人懲りてないな。


その日、俺の中での刄さんがかなりの変態イメージに変わったのは言うまでもないだろう。

他の殺し屋に猫耳を外してもらう樒を見ながら誰にも聞こえぬようにため息をつくのだった。







【残念ながらベタ惚れ】




End
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