短編
□綺麗でしょ?
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皆さん、僕の名前は平河 淳斗。
近所の小さな高校に通う2年生です。
そして僕にはとても格好良い恋人さんが居ます。
それが、
「淳斗、それ何だ?」
この赤髪の獅子博 冬馬さんです。
冬馬さんから告白してきたんですが、男同士だから結婚も出来ないし子供も出来ませんよって言いました。
それでも冬馬さんは僕がいいのだと言ってくれました。
「ビー玉です。お兄ちゃんに貰いましたっ」
僕のお兄ちゃんは冬馬さんとお友達みたいで今も隣のソファーでぐっすり眠っています。
ちなみに今僕がいるのは冬馬さんの『チーム』の溜まり場です。冬馬さんはヤクザさんなんです。
最初聞いた時は驚きましたがそれでも冬馬さんが好きで離れたくないと思ったので一緒にいることにしました。
「ほら、これやる」
「巾着ですか?」
「落としたら嫌だろ?」
「ありがとうございますっ」
僕は持っていた3つのビー玉を冬馬さんと同じ色の巾着に入れました。中でカランコロンとビー玉のぶつかる音がします。
その音は冬馬さんの声と同じようにとても綺麗でした。
「僕の宝物がまた増えましたっ」
「良かったな」
「はいっ」
冬馬さんが僕の頭をなでなでしてくれます。
僕はこの大きな手が大好きです。
冬馬さん。
ずっと一緒に居ましょうね。
End