短編
□手のヌクモリ
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「あんたごときが秀太様に近寄るなんてどれだけ失礼なことだと思ってるの?!」
「秀太様が迷惑がってるのがわからないのか!?」
「秀太様の隣になんていないで! あのお方が汚れてしまう!」
はい。現場の鮫谷です。只今13時を少し回りました。
現場には男が二人と男と見せかけて実は美少女かな?と思いきや男かーい!とノリツッコミをしたくなるような野郎が三人ほどいまーす。
その五人は一人の男子生徒を取り囲んでいる模様です。
「分かった?! 自分が嫌われてるのをもっと自覚してよ! 行くよ!」
おや、興がさめたのでしょうか。男子生徒を残して5人が去っていきます。
では残された男子生徒に話を聞いてみましょう。
……………とまぁ、茶番はここまで。
「あー、腹が痛い。というか、最早これは…胃?」
俺の名前は鮫谷 葉羽。
まじで高校生活enjoyしてる男子です☆
って言いたいけど…俺の幼馴染である矢嶋 秀太のせいで友達もできずenjoyもできずって感じだわ。
何を隠そう、秀太はこの学校の副会長で超人気の人物で…俺の恋人、みたいなね。
さぁ、俺も教室戻ろっかね。
あ、その前に保健室に胃薬貰いに行かねぇと…この胃が爆ぜそう
ガララッ
「しつれーしまー…す?」
「なんで疑問系なんです?」
「いや、なんでいんの?」
「お前が来ると思ったから待ってただけですよ?」
「いや、エスパーですか。というか来なかったら笑い者だな」
「無駄口叩いてないでさっさとここに来て座りなさい。それとも寝ますか?」
もうみんな分かったよね。
分かってないやつは俺の胃と共に爆ぜろ。
こいつが副会長の矢嶋 秀太。
腹黒で眼鏡で敬語な俺の恋人。
無駄にイケメンなので目の前に行ってあのツラ潰してきまっす☆
「声に全て出ていますよ。また胃薬貰いに来たのでしょう? それよりも効く薬をワタシは知ってるのですがねぇ」
秀太はそう言うと俺の腕を引っ張ってベッドまで。
カーテンを開けるとベッドに俺を寝かせた。
「え、何何? 怖いよ? やめて…?」
「どこが痛いんですか?」
「え、ちょ、無視とか酷くないですか。秀太様に無視された〜俺はもうs「どこが痛いんですか?」……………ココデス」
2回目の質問を無視できるほど俺は自分に冷たくないよ? 寧ろ可愛がってるよ?
「え、ちょ、何何!? 手の意味あr「黙ってください」……ハイ」
急に視界が暗くなったと思ったら秀太に目隠しされてた。
するとお腹に小さなぬくもりが。
「自分の手より人にされた方が腹痛には効くんですよ」
「あ、ったかい・・」
お腹を撫でられて痛みが和らぐと睡魔が襲ってきた。
俺は腹に乗せられている秀太の手に自分の手を重ねると意識を手放した。
目が覚めたとき、彼がそばにいると信じて
End