短編V

□缶コーヒー
1ページ/1ページ



ガコンッ



自販機でコーヒーを買うのは真宮 犬夜(まみや けんや)。小さな会社に務める課長である。


背が高く顔が良く、オマケに仕事も出来る彼はいつも女子社員の注目の的であった。
少し近寄り難い雰囲気を持っているからか彼はいつもひとりだった。


バルコニーに佇む姿は画になる。
そこに青年が1人。
眺めていた女子社員達は『またか』と嫌な顔をした。


「せんぱーいっ!」


元気よく犬夜に抱き着いたのは璃原 恋暖(あきはら れのん)
誰にも内緒であるが犬夜と恋人の関係にある。


「仕事は終わったのか」

「はいっ! バッチシです!」

「んッ...おいこら」


抱き着いたまま尻を鷲掴んできた恋暖を犬夜は甘い声を上げながらも制した。


「ちょ、先輩可愛すぎ・・・!」

「三十路に可愛いはない。...おいッ!」


恋暖は我慢出来なくなったのか犬夜を引っ張ってあまり使われないトイレへ直行。
ここならば女子社員の目を気にしなくていいし、滅多に人が通らないので声を出しても大丈夫なのだ。



「ちょ、...あンッ、おい……!!」

「先輩かーあいっ」


恋暖は犬夜の服を素早く脱がして首筋に噛み付いた。


「ひぅ...ンン…! …あっ、ひッ、んぁ」

「ん、先輩勃ってる...」


恋暖の冷たい手が犬夜のモノに触れる。
ビクリと揺れる犬夜は快楽に溺れていた。


「れ、の...ぁあ、はっ、ンぁ..!」

「先輩、こっち向いて」

「ん、れの...んん」


恋暖は犬夜と口を重ねたまま、扱く手を速めた。


「んん、んっ...んはっ、んんん――!!」


ビュクッと白濁を出した犬夜は力を抜き、恋暖に支えられた。




「ほら...やっぱ先輩かわいー」

「うるせぇ、...よ」


2人は暫く抱き合ったままだった。


End

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ