夜空の物語〜sora's stories〜

□標的6:本番前の用事
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◆ その頃。

 夜空は、庭でトレーニングをしていた。

 恭弥は見回りに行ってしまったし、掃除、洗濯も終わったから、体が鈍らないように、トレーニングしていたのだ。

 夜空は、本部にいた頃、毎日厳しいトレーニングをしていた。

 実践のようなトレーニングもあったし、武器で十時間以上、同じレベルの相手と戦い続けるというトレーニングもあった。

 今の夜空は、そんなトレーニングをする時間がなく、少し体が鈍ってしまっていたのだ。

 今、夜空がやっているトレーニングは、父が考えた、夜空専用のトレーニングだ。

 その内容は、自分で投げたホーミングフープを、何時間も避け続ける(あたると火傷をする)という、一見簡単そうだが、かなりの集中力と、体力がしつような、結構ハードで、難しいトレーニングだ。

 ホーミングフープとは、夜空が持っている、十字架のペンダントを変形させたもので、ペンダントは、棒、ブーメラン、弓、剣など、夜空が望んだものに変形する、便利な武器で、この武器は、ブーメラン型の、ホーミング―つまり、相手を追いかける武器だ。これも、父が作ってくれた。

 夜空は、ペンダントを見るたび、父を思い出してしまう。

 夜空の父は、ファミリー未付属のマフィアなのだが、腕のいい武器チューナーとして、有名だった。

 特にボンゴレから、贔屓にされていて、(チューナーとして;)何度も専属にならないかと、誘われていたが、何故か父は、断っていた。

 そんな偉大(?)な父は、本職の殺しでは、腕がよくなく、闘い中に破れ、命を落とした。
夜空は、父の最期の仕事についていっていた。(父の才能がない分、夜空の腕が良かった)そして、父の最期をみた。

 それからボンゴレは、夜空を大事にしてくれた。

 たった五歳で父が死んだ、幼い夜空を、守ってくれたのだ。だから、夜空はボンゴレに、尽くしているのだ。

『父上。夜空は強くなります。あの時、夜空は父を守れなかった…。あんなに残酷な闘い・・・夜空は嫌です・・・・・・・・・
でも、もうあんなに悲しく、辛い思いを、夜空はしたくありません…。大切な人を失う、悲しい思いを…。
だから、見ていてください。夜空は、強くなってみせます。』

 父を失ってから、夜空はとてつもなく強くなった。

 夜空が、父の為に強くなったということを知っているのは、ごく一部の人間だろう。



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