茜色の珠
□H×H 10 危険な仕事2
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「お前らの狙いは大方あの子供だろ…
だったら、このまま帰るわけねえよな」
「…!」
目の前で苦しそうにしている
この男の言うとおりである
そもそもの今日の仕事は
誘拐された子供を救い出すこと
であるわけだから
ここで、帰るわけにはいかないのだ
そう考えていたら
リューチェは私の思っていることが
わかったのだろう
「いや、帰るぞアカネ
こいつらの仲間が来たら
今度こそ、助からないぞ!」
「っ…でも!女の子が!」
「"第一優先すべき"は
あれだけ言われてたのに
なんだったのか忘れたのか?」
「…」
確かに、優先すべきは
自分自身だってことは
わかってはいるけれど
ー
ーー
ーーー
「お願いします…!!
大事な一人娘なんです…!!」
「助けてくれたら
なんでもしますから…本当に
お願いします…っ!」
「分かってます安心して下さい
必ず娘さんを貴方達の元に
連れてきてみせますから
行ってきます」
「あ、待ってください!
せめて…これ持って行ってください」
「え、これって…」
「御守りです…
私達には手伝うことも
出来ないんです…だからせめて、
思いだけ持って行ってください」
「娘を」
「「お願いします」」
「…はい、任せてください!」
ーーー
ーー
ー
「おい!アカネ!早く…」
「やっぱり、ダメだよ
私には帰るなんてできないよ!
負けるってわかってても!」
「っ…ばかめ!」
私がそう言って
立っているのもなかなかやっとな
体を無理に保ちながら、
手錠を掛けられ
それこそ本当に動けない
旅団を無視しながら、
目的の女の子を探しに行こうと
した時だった
でっかいオーラを放った
何かが、いくつも
現れたのだった