novel 2

□アズカバンの囚人
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アズカバンの囚人
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新学期の1週間前から漏れ鍋に泊まり、友人たちと教材などを揃えたりおしゃべりしたりしているうちにあっという間に新学期の日が来た。
漏れ鍋には、ウィーズリー一家とハリー、ハーマイオニーがいて、キングズクロス駅まで一緒に行くことになった…もちろん、魔法省の車で。
「あの車…2度と乗りたくないわ」
「私も同感よ、アヤノ」
ハーマイオニーとげっそりしながら駅に入り、柱を通り抜ける。
すでに発車時刻が迫っていた為ホームには見送りの人がいるくらいで、生徒はほとんどいなかった。
「急がないと!席がなくなっちゃうわ」
なんとか空いているコンパートメントを見つけて入ってみると、先客が1人いた。
「…まぁもうここしか空いていないし。とりあえず入る?」
無事4人揃ってコンパートメントに入ると、すぐに特急はホームから離れていた。
「結構ギリギリだったわね…」
「そうね」
「この人誰かな?」
「ルーピン先生よ」
「君なんで知ってるの?」
「もちろん、ここに書いてあるからよ」
「…ハリー大丈夫?列車に乗る前にウィーズリーおじさんと何か話していたでしょ?その後から顔色少し悪いわよ?」
「そのことで君達に話があるんだ…ウィーズリーおじさんが言うには、ブラックは僕を狙ってホグワーツに来るって…」
「まぁ!…もちろんハリー、貴方からわざわざ探しに行くなんてことしないわよね?」
「そんな危険なことするもんか!」
「でもなんで今更なんだろうね?今脱獄できるってことは、もっと前にも脱獄しようと思えばできたはずなのに…」
「たしかに…」
その時、突然列車が止まり、灯りが消えた。
「何かしら…?ホグワーツに着くには早すぎるわ」
「おい!見ろよ!外を…それに寒い…」
ロンに言われて外を見ると窓や窓辺の水がどんどん凍っている。
急いで呪術を使い、闇の生き物を寄せにくい炎を掌からだす。
「少しはこれでマシになると思うから…しばらくじっとしてて!」
しかし炎を出したにも関わらず、ハリーに引き寄せられたのか記憶よりも少ないディメンターがやってきた。
「…ちょっと弱かったか…“エクスペクト・パトローナム”」
パトローナスを呼び出してハリーに集っているディメンターを追い払う。
「ハリー大丈夫?」
「しっかりして!」
「…はい、チョコレートを食べて。元気になるから」
いつのまにか起きているルーピン先生がハリーにチョコを渡している。私の記憶よりも軽く済んだ為、そこまで顔色も酷くないようだ。
「はい、君も。学生のうちからパトローナスが出せるなんて凄いね!君がいるからここは安心かな?私は今から車掌室に行って状況を確認してくるから、あとはよろしく!」
「ありがとうございます。こちらのことはお任せください!」
ルーピン先生が出て行くや否や3人から質問攻めに…
「今まで何が起こっていたの?」
「さっきまでディメンターが来ていたのよ。きっとブラックが乗っていないかチェックしにきたんだわ…アヤノ!貴女守護霊の呪文が使えるのね!凄いわ…それにその前の炎だって…杖なし魔法よね?」
「杖なし魔法だって?なんじゃそりゃ!」
「ハリー、貴方はディメンターに襲われていたの。私が炎を出したからって油断していたからだわ…ごめんなさい。…それから、ハーマイオニー。私はパトローナスが出せるわ。日本では飛び級ができて、実はもう卒業できるレベルまで学んできているの。こっちに来たのは、趣味よ。卒業して働くにはまだ若いから。働けないことはないけど、学びたかったの。杖なし魔法は、呪術って言って日本独自の魔法かな?一応授業はあるけど、センスがなきゃ使えないの。いつか詳しく教えてあげるわ!ロンも知りたかったらいつでも聞いてね」
「僕は遠慮しておくよ」
「…アヤノのお陰で助かったよ。ありがとう」
「ハリーにそう言ってもらえると嬉しいわ」
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