長編〈若月×桜井〉

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若月side


「せんせーさよならー」

「はい、気を付けてねー」


今日も仕事終了
可愛い生徒たちの下校を見届けてから少し仕事をして、家に帰る


「ただいまー」


玄関を開けると見慣れた靴
今日も来たのかと思い溜息をつく
だけどそれは、嬉しい溜息だ


「ただいま」

「あ、おかえりなさい!」


いい匂いがするからキッチンを覗くと
きっと学校帰りにそのまま来たのだろう
制服姿の可愛い私の恋人


「そのまま来たの?」

「うん!」

「そっか」


お玉を片手にこちらに笑顔を向ける彼女に
私は笑いかけて抱きしめる


「ちょっ、もーー」

「ごめんね、しばらくこのままで」

「しょうがないなぁ、甘えん坊わかちゅだ!」

「うん、そうかも」

「・・・どうしたの?」

「なんにもないよ」

「そっか」

「うん」


私の恋人は17歳
可愛い可愛い、生徒
そんなこの子と恋仲にある私は
部屋で彼女を見るたびに、罪の意識に苛まれる
このままでいいのかと、そう思う
だけど今更、この可愛い恋人を手放すなど
今の私には、到底できることではないだろう
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