過去拍手

□志田くんと渡邉くん
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bingoに触発されて書きました。
まなきくんとりさおくんの話。
だけどいつも通り暗め←









まなきside





まだ、俺とあいつがガキの頃の話



「ねぇー、まなきくん!」
「なにー?」
「ぼくね、ゆめがあるの!!」
「ゆめー??」
「うん!ゆめ!!」



本当に、まだ世の中の事がよくわかっていないくらいのガキの頃
あいつはすっげーキラキラした目をしながら言った



「ぼくね、まなきくんとけっこんする!!」



まだまだ純粋なあいつがキラキラしながら言った夢



「おれとー!」
「うん!」
「でもおとこどうしじゃけっこんできないってママがいってた」
「む、でもけっこんする!!」



あの頃は、その言葉が俺のすべてだった
いや、たぶん.....今でも
俺の中で、あいつのの言葉一つ一つが俺のすべてなんだ



「よっ」
「おぉ、はよ」
「またタバコ吸ってる....体に悪いだろ」
「うっせーなぁ、別にいいだろー」
「お前はいいかもしんねぇけどさ」
「はいはい、やめるやめる」
「それ前も言った」
「あー、そうだっけ?」
「ほんと、ガキの頃から嘘つきだよなまなき」



なぁ、知らねえだろ?
タバコだってお前に構ってほしいから吸ってるだけなんだよ



「てか、まなき彼女は?」
「あ?別れた」
「またかよ....」
「別にいいだろ」
「あのなぁ」
「あ。」
「ん?」
「ほら、いるぞ」
「え?あ、おはよう!友梨奈!!」
「おはよう、りさおくん!」
「んじゃ、まなき後でな」
「へいへい、早く行けー」



あいつに彼女ができた
前からいたけど、今回は違うみたいだ
なんつーか、本当に大好きなんだなと思う



「俺の一番は....ずっとお前なのにさ」



彼女なんてらない
俺がずっと欲しかったのはずっとあいつで
でも、俺だけがあいつの言葉をずっと大事にしてるだけで



「......俺と結婚すんじゃねぇーのかよ...っりさおくんよぉ....」



目の前を向くと幸せそうに歩くあいつの姿があって
段々とその姿が滲んでくる
あいつに見られるわけにはいかないからさ
俺は滲む目を抑えながらタバコを吹かした














「.....まなき?」



なんか、心がざわざわした
なんか、なんだろう
まなきが、泣いてる気がした



「りさおくん?」
「あ、なんでもないよ」



来た道を振り返るとまだそこにはまなきがいて
俯きながらタバコを吸ってる
でもその肩が微かにだけど震えている気がした

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