台本の墓場
□演劇同好会の非日常
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E子「まぁ簡単に言えば、遅刻した生徒が上手いこと言い訳するから、それに先生役が上手いこと返すわけ。おーけー?」
F佳「まぁ、なんとなく。」
C太「手本見せればわかるでしょ。」
A奈「なんかいい感じの短い台本無かったわ…。」
D江「あ、先輩。」
A奈「おーおー、舞台までセット済みってか。んじゃ、やりますかー。キャストおっけー?」
C太「はい。」
E子「はい。」
A奈「んじゃ、いくよー。はいいきまーす、はい!」
C太「それでは、今日の欠席はE子さんですかね。」
E子「ちょっと、待った。はぁ、はぁ。」
C太「言い訳くらいは聞きますよ。」
E子「えーっと、
自転車に乗り遅れました。」
A奈「ぶはっ!」
D江「え。」
F佳「wwww」
C太「君は自転車の定義を理解してますか。」
E子「はい!」
C太「こんなかんじです。」
A奈「まさか、それを一番最初にぶっこんでくるとはwwww」
D江「2人のりでもしたの?」
E子「いや、そういうネタの動画があるんだよ。」
C太「ローテしましょう。次はF佳とD江で。」
F佳「じゃあ、あたし生徒!」
D江「じゃあ、先生で。」
A奈「んじゃいくでー、はいいきまーす、はい!」
D江「あれ、F佳さんは遅刻ですか?」
F佳「すみません、先生!えっと……
越後線と信越線、間違えました!」
A奈「五点。」
C太「三点。」
E子「四点。」
F佳「なぜに、点数。」
D江「低い〜。」
A奈「電車通じゃねーからことの重大性が分からん。」
C太「面白味に欠ける。」
E子「ありえそうだからやだ。」
F佳「辛辣!そんなこと言うんだったら次は3人でやってくださいよー。正真正銘オリジナルを!」
C太「なぜに3人。」
A奈「よーし、やってやろうじゃねぇか。んじゃ、C太先生な。」
C太「え。」
F佳「それじゃ、いきますよ!はいいきまーす、はい!」
C太「え、ちょ。ご、ごほん、では出欠をとります。」
E子「先生……。」
C太「E子さん、遅刻ですよ。」
E子「うちはもう駄目です。」
A奈「待ってくれ、E子!」
E子「ちょっと学校には来ないでって言ったじゃない!」
C太「誰だ君は!」
A奈「E子、考えなおしてくれ。」
E子「嫌よ婚約なんてしたくない。」
A奈「E子、君が嫌かどうか聞いてるんじゃない。婚約を蹴るってことはお父さんの会社のパトロンにつく話も流れてしまうんだぞ!?」
E子「父さんが勝手に決めたことでしょ!うちは知らないもん!」
C太「E子さん、君は………。」
E子「それに、経営が危うくなったのも全部父さんのせいじゃない!なんなのよ、女子高生の制服なんか着て、学校にまで押し掛けてくるなんてっ……。」
A奈「父さんはお前のことが心配で!」
C太「お前が父親か。」
E子「父さんなんて、だいっきらい!!!」
A奈「待て、待つんだE子!!!」
E子「はい。」
F佳「なんですか、この意味の分からない展開は…。」
A奈「ふざけてみた。」
C太「ふざけすぎですよ。合わせるこっちの身にもなってください。」
A奈「よく食らいついてきたなー。えらいぞ!」
C太「もうやだこの人。」