Story F
□真琴を怒らせてみたくて
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大学3年生になり、就活前に弾けようぜ!と飲みに誘って来た女友達、田中あやこ通称たーや。
夏が終われば本格的に就活が始まるから私はノリノリでその誘いに乗った。
彼氏である真琴の家でデートした後に飲み会の予定だ。
最近飲めてなかったから楽しみだと真琴に言ったら、帰り心配だから迎えに行くよ。なんて。
素敵な彼氏バンザイ!と心の中で幸せを噛みしめたのはつい1時間前の話だ。
意気揚々と真琴の家を出て、待ち合わせ場所に行くと、同じクラスの女子が10人ほど集まっていた。
集まるの久しぶりだねー、なんて話してたら幹事のさーやが来た。
颯爽と現れ、じゃ、行くよ!と、背中が着いて来な!って言ってる。
わらわらさーやの後に着いてお店に入って席に案内されて絶句。
「・・・さーや?えっとー、どちら様?」
「あー、ほら、彼らはT大学の医学部です。」
「・・・待って。今日って女子会じゃなかったの?」
「あははー、人数足りなくてつい嘘を。ごめんごめん!」
合コンって言ったらあんた来ないじゃん?
いつもと違っておしとやかにニコッと微笑む彼女に苛立ちを隠せない。
合コンなんて真琴にバレたらどうなるか・・・怒る、かな。
さすがに温厚な真琴でも怒るだろ。
付き合って3年になるけど、怒ったとこ見たことないかも。
真琴が怒ったらどうなるんだろ、それともさらっと許されちゃったりして。
気になる。
「合コンって知ってたら絶対来ないよ!でも来ちゃったからしょうがない。」
「あれ、付き合ってくれんの?」
帰る可能性も考えてたなら最初から誘うなよ!なんて言葉を飲み込んで。
「まぁ、ほら、真琴がどんな反応するかってちょっと好奇心。」
その言葉を聞いたたーやは絵に描いたようような悪い笑みを浮かべた。
「橘くん優しいからねー、結果教えてよね!」
そんな流れで人生初めての合コンに参加することになりました。