Story F2

□私のこと好き?
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「嫌だ!江だったらそんなこと言わなかった!」



グサッときた。ううん、そんなもんじゃない。一瞬頭の中が真っ白になって、じわじわ言われたことを理解して。
遙が彼女の私と、後輩であり遙の元カノの江ちゃんを比べたことが悲しいのか、ショックなのか、自分の感情がわならなくなるぐらいの衝撃だ。
遙も自分の言葉に驚いたのか目を見開いてからそっぽを向いた。


「ハル!そんなこと言ったらダメだろ!」
そうだ、真琴も一緒に帰ってるんだった。

次第に怒りと疑問が渦を巻く。
何で今更江ちゃん?2人が別れたのってもう1年前じゃないっけ。
付き合ってからの8ヶ月間遙はずっと私と江ちゃんを比べてたの?
何それ、遙はまだ江ちゃんが好きなの?
意味わかんない。
「へー、そんな風に思ってたんだ。だったら私と別れて江ちゃんとより戻せばいいじゃん!最低!最低!最低!そんな風に思われるなら遙と付き合わなければよかった!」

全然考えがまとまらないまま飛び出した言葉。
おさまらない怒りを撒き散らしながら、家に向かって歩き出せば腕を掴まれて振り返れば真琴。
だから何で真琴なの。余計にイライラする。
「何」

「待って、ハルの話を「別に話すことないから動かないんじゃないの?ってか、何で真琴が止めるの。そうやって真琴に甘えてばっかだから江ちゃんにもフられちゃったんじゃないの?とにかく!もう終わりだね。私たち。誰かと比べられるとか、本当ないから。別れましょう。さようなら」


ふん!と鼻息荒く真琴の手を振り払って今度こそズカズカと家に向かう。
怒りを思いつく限りの言葉でぶつけてやった!

そんなに私と買い物に行くのが嫌だったの?
江ちゃんとはお互い部活に集中したいから別れたって聞いた。幼なじみの関係を壊したくなくて、怖かったけどそこに付け入るように告白したのは私。
もう他の誰かに遙をとられたくなかった。
結構時間経ってからOKの返事もらったから、少しは吹っ切れたのかと思ってたけどな・・・
あれ、でも私好きって言われたことないかも。

小さい頃からずっと遙が好きで、江ちゃんと付き合い始めた時は本当にショックだった。
結局私が入る隙は今もないってことか。それとももうすぐ卒業で遙は東京に行くから別れようとしてるのか。
はたまた今まで遙しか見て来なかったから別の人にも目をむけろって神様が言ってるのか。

どんな理由をつけても悲しすぎる。
確かにちょっとしつこく誘っちゃったけど、元カノと比べることないじゃん!
いつまでも私が一途だと思うなよ!遙!











「どうしたの?大丈夫?」
次の日登校した私に友人の第一声。
わかってるよ。目が腫れまくってるんだよね。
あんな強気なこと考えたけど、家に帰って思い出したらやっぱショックで思いっきり泣いた。
だいぶスッキリしたし、気持ちの整理もしていこうと踏ん切りがついた。
「私七瀬遙離れすることにしたの。」

「え、何?どうした?」

「深くは聞かないで。思い出したくないから」

「わかった。」

見捨てるの早すぎ!
いや、別にいいけど。自分の問題だし。クラス別って今までは嫌だったけど今はよかったって思うなんて皮肉だ。まさかこんなこと思う日が来るなんて。
バレンタインデーを間近に控えて、どこかピンクに染まる教室に悲しくなる。私だってあげるつもりだったのに。
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