白。
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『卒業したら、ルシウス先輩達と同じ方にいくの?』
「ああ」
図書室で進路の本を捲る彼女は、
もう7年の11月だというのに何も決めていないようだった。
「ミシェルは……」
"決まらないなら、僕ときてくれ"
それは言ってはいけない。
自分はあの人を尊敬してはいるけれど、だからといってミシェルを危険に晒したくはない。
『セブのお嫁さん、かなぁ?』
へらり。
彼女の笑いを形容するのに相応しい言葉。
だが、それは泣きそうな笑いでもあった。
「真剣に考えろ。」
冊子で軽く殴れば、いったーいと大げさに言うミシェル。
そして、今度はふにゃりと笑う。
『ここで働くか…グリンゴッツか…聖マンゴなんだよね。一応お誘いかかってるの。』
どこにいても、あまり仲良くできそうにはないね。
そう、囁きが聞こえたような気がして彼女の方を見たが
そこには、ぱらぱらとつまらなそうにページを捲る、いつもと変わらないミシェルの姿しかなかった。
..
お付き合いしてます。7年生。