白。

□01
1ページ/1ページ



『卒業したら、ルシウス先輩達と同じ方にいくの?』

「ああ」


図書室で進路の本を捲る彼女は、
もう7年の11月だというのに何も決めていないようだった。

「ミシェルは……」


"決まらないなら、僕ときてくれ"

それは言ってはいけない。
自分はあの人を尊敬してはいるけれど、だからといってミシェルを危険に晒したくはない。


『セブのお嫁さん、かなぁ?』


へらり。

彼女の笑いを形容するのに相応しい言葉。
だが、それは泣きそうな笑いでもあった。


「真剣に考えろ。」

冊子で軽く殴れば、いったーいと大げさに言うミシェル。

そして、今度はふにゃりと笑う。

『ここで働くか…グリンゴッツか…聖マンゴなんだよね。一応お誘いかかってるの。』


どこにいても、あまり仲良くできそうにはないね。

そう、囁きが聞こえたような気がして彼女の方を見たが
そこには、ぱらぱらとつまらなそうにページを捲る、いつもと変わらないミシェルの姿しかなかった。



..

お付き合いしてます。7年生。

 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ